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風薫る5月。まさにその言葉がぴったりの季節です。
昼間は初夏のような暑さで、早くも蝉が大合唱。 え~もう?といつも思うのですが、毎年この頃に鳴き出します。 そして梅雨に入るとめっきりと肌寒くなり まるで春先に逆戻りしたかのよう…。 この時期は比較的天候が安定していて 一年の中で一番過ごしやすい季節。 強い日射しの中でも爽やかな風を感じると それだけで幸せな気持ちになります。 ゴールデンウィークの連休が始まる直前 長野県の北部、白馬に出かけてきました。 白馬駅から徒歩でも行ける絶景ポイント。 中央を流れる美しい清流は姫川。 連なる白い尾根の山々は白馬三山。 白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳。 安曇野ではすでに桜が散っていますが、白馬ではちょうど見頃。 清涼感あふれる景色と涼しい空気に 疲れが溶けていくようでした。 新緑の緑や青い川の流れが 桜の花のピンク色と絶妙のコントラストで 一枚の絵画を見ているような気がしてます。 ゴールデンウィークは養生園も連日満室でとても賑やか。 この時期にお会いできるゲストの方々もたくさんいて キッチンからホールを眺めながら 懐かしい再会に嬉しく感じていました。 5/4の朝食より。 左から「蓮根とひえのかば焼き風バルサミコ酢味噌のソース添え」。 すりおろしの蓮根料理の中でも一番お気に入り。 甘酸っぱいソースが淡白な味わいの蓮根とひえによく合います。 朝採りのレタスの上に盛りつけ。 真ん中は「つぼみ菜と人参の生姜醤油和え」。 シンプルな一品。 この時期たくさんの青菜が収穫されます。 つぼみ菜は菜の花のようなほんのりとした苦味が特徴。 しっかりとした歯ごたえがあり深い味わい。 生姜醤油で味つけ。それだけで美味しい。 もう一品は「黒豆とラディッシュ、セリの白和え」。 セリの爽やかな香りは白和えによく合います。 胡麻ペーストやレモン果汁を加えて コクと酸味を加えてさっぱりとして味わいに仕上げました。 4/30夕食より。 シンプルでとても美味しくて感動もののフライ。 周りはかりかりと香ばしく、 噛みしめるとじゅわ~っとアスパラの旨みが口の中に広がります。 添えた豆腐のタルタルソースとの相性もばつぐん。 太くてしっかりとしたアスパラをゲスト人数分を確保。 横に添えているのは「高野豆腐と彩り野菜の生春巻き」。 レタスと人参、さつま芋、八角と醤油で煮た高野豆腐を巻きました。 人参やさつま芋の甘みと、燻製のような雰囲気を醸し出す高野豆腐煮の組み合わせ。 これだけでもしっかりとした味わい。 ガラスの器には「かんぞうとごぼうの時雨煮」。 にんにくのみじん切りを加えてしっかりと煮たごぼうは味わい深く 野草のかんぞうの存在感に負けず、ほどよく絡み合っています。 サラダは朝採りのリーフレタスと人参ドレッシング。 すりおろしの生のままの人参。 野菜の甘さは疲れたカラダをホッとゆるめてくれます。 りんご酢とオリーブオイルを加えるだけで美味しいドレッシングの出来上がり。 この日のスープはこちら。 隣の松川村産の黒豆をたっぷりと使いました。 煮汁も含めてスープに仕立てます。 塩、胡椒で味つけ、ほんの少しの麦味噌が味のアクセント。 蕨とナッツを添えて盛りつけ。 美肌効果をはじめ老化防止や女性ホルモンの活性化など たくさんの効能に溢れる黒豆。 養生園ではひんぱんに使っています。 デザートです。 雑草の王様と言っても過言ではないくらい 繁殖力が旺盛なスギナ。 乾燥させて煮だしたスギナ茶は 腎臓病の薬として重宝されたとのこと 昔から民間療法のひとつとして活躍していました。 どの野草も同じように生命力が強くて逞しい。 まさにエネルギーの宝庫。 このスギナを使ったデザートです。 粉末にしたスギナを豆乳とココナッツミルクをベースにしたアイスに加えました。 甘みに中に香るほんのりした苦味。大人の味わい。 胡麻が入ったチュイル、クリスプ、ミントを添えて小さなパフェ風に盛りつけ。 大地の恵みとパワーがみなぎるデザートです。 明日は安曇野でも最高気温が30℃の予報。 養生園は標高800m弱なのでまだ幾分涼しいけれど それでもキッチンの中は暑くて、夏そのもの。 夕暮れからは肌寒いくらいの夜風が流れてきます。 それがなによりのご馳走。 食材だけでなく涼しい風もまた山の恵み。 自然は時として猛威をふるいますが 普段は私たちを守り癒してくれる存在。 明日もまたそんなささやかな幸せを感じる一日になるでしょう。 明日も皆さんにとって 良い一日になりますように。 大地の恵みに感謝…!
by yayoinomoto
| 2015-05-14 20:00
| 料理
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